Vol.203 2025年8月号
TOPICS
君知るや 亀屋万年堂ナボナ
お中元で「ナボナ」をいただきました。ありがたいことです。もちろん亀屋万年堂のあのナボナです。ナボナといえば、CMでの王選手(*1)による決めゼリフがあまりにも有名。そのセリフは、
──ナボナはお菓子のホームラン王です──
そのCM以来、ナボナはだれもが知るところになり、ナボナがお菓子のホームラン王であることは、世代を超えた “常識” になった。
◆ ◆ ◆
話は突然変わります
今どきの10代がSNSに書く文章の特徴は「句読点がないこと」なんだとか
読点(「、」)はともかく、句点(「。」)は登場しないといいます
文章が冷たい印象になるから 威圧感があるから
これらが句点をつけない理由らしい
なんだかよくわからない理由ですね
話し方にも特徴があるように感じます
言い切らない、ぼやかした言い方をします
句点は強い物言いに感じるから使わない、そして言い切らない話し方
両者にはなんとなく共通点があるような気がしないでもないような感じ、みたいな
若い世代にとっては、そういう感覚は “常識” なんでしょうね
たとえ別世代からすると違和感があっても
◆ ◆ ◆
いわゆるジェネレーションギャップ。いい悪いではなく、生きてきた時代が違えば、常識(のみならず、ものごとのとらえ方や知識)が違うのは、あたり前田のクラッカー(*2)。
◆ ◆ ◆
さて、冒頭のナボナの件。
なんと! 事務所のスタッフ(年齢は特に秘す)はナボナを知らなかった!
まさか。「虚を突かれる」とはまさにこのことでしょう。老若男女を問わず、ナボナは知っていてあたりまえ。こう思っていた。認識が甘かったのか。ナボナを知らない世代がいるとは。
ただ、ここである疑問が───ナボナを知らなければ当然、ナボナがお菓子のホームラン王であることなど知る由もないはず。であれば、かのスタッフは、お菓子のホームラン王を問われたとき、いったいどのお菓子の名を挙げるのだろうか。
(駿馬)
インターネットで「ナボナ CM」と検索しよう。いくつかの動画の候補が表示される。ひとつを迷わずクリック。
すると、なつかしいテレビCMを見ることができます。もちろん決めのセリフは、
──ナボナはお菓子のホームラン王です──
*それにしても王選手が若い。
念のために申し添えれば、ソフトバンクホークスの王会長と同一人物です。
*1)「王選手」王貞治。読売ジャイアンツの元主砲。言わず知れた世界のホームラン王。生涯打率3割1厘
*2)「あたり前田のクラッカー」誤植にあらず。1960年代のCMの決めゼリフで、世を席捲したフレーズ(前田製菓「前田のクラッカー」のCM)。世代が違えば知らないのは、あたり前(田のクラッカー)。
ヘタ字のコラム
ストックとフロー、ふたつの側面から の巻
人にはストック型人間とフロー型人間がいるといいます。
ストック型人間は、ものごとをため込みやすい。不安やストレスまでもためこみます。それゆえ、いやなことがあっても受け流すことができません。
一方のフロー型人間は、それができる。いろいろため込まない。感情の切り替えが早いともいえるでしょう。
決断に迫られたとき、慎重になりすぎて、決められなくなる傾向があるのがストック型人間。でも、フロー型人間はそうではありません。だめだったらだめでいい。それを糧にしてまたチャレンジすればいいんだから。こう気持ちを切り替えて、軽やかに(?)決断することができる。
かつて日本社会の働き方は、年功序列、終身雇用が基本でした。そのような社会は、ストック型人間に適していたといえます。ひとつの職場で、たまった情報(経験)を武器に、会社生活を送れたからです。
でも、今の社会は変化のスピードがとても速い。フロー型人間のように、気持ちをサッと切り替えられるほうが合っているのかも。とはいえ、ストック型にも長所があるわけで、どちらかが一方的に優れているわけではありません。
□ □ □
会計の世界にもストック情報とフロー情報があります。
ストック情報は貸借対照表に集約され、フロー情報は損益計算書に表されます。ただ、多くの場合、損益計算書が重視され(つまり、フロー情報が重視され)、ストック情報はあまり見向きをされません。
「4割打者はすごいか」←こんな命題があります。
シーズン打率4割の打者。はたして彼は大打者か。じつはその情報だけでは、評価は下せません。もし、彼の放った安打が2本だったら・・・つまり5打数の2安打/年間。打率は4割です。でも大打者ではない。大打者どころか、レギュラーですらないわけです。
つまり、打率だけではほんとうのことはわからない。安打数というプラスの情報があってはじめて真実が見えてくる!
会計もそう。損益計算書だけをみるのではなく、それに表されている利益がどのような形で貸借対照表に集約されたか(あるいは今後集約されるか)。そのような視点をもつことが、会社の業績を読み解くうえで大切です。
□ □ □
ストックとフロー。人間の型にもあり、会計にもある。
ストック型人間は、フロー型人間のよさを取り入れるよう励み、フロー型人間は逆の努力をする。会計では、フロー情報だけでなく、ストック情報にも気を配る。
どちらかに偏るのではなく、そんなバランスを意識したいものですね。
(駿馬)
今月のことば
今月のすうじ
3割8分9厘
プロ野球のシーズン最高打率(規定打席以上。1986年に阪神タイガースのランディ・バースが達成)。つまり日本には、いまだ4割打者は存在しない。
プロ野球では3割打てば一流。4割は夢のまた夢。これ常識。でも、イチローがずっと日本でプレーしていたら・・・こんな空想もときに楽しい。
編集後記
一年半ぶりに実家に帰省しました。今回の帰省では、睡眠の大切さを痛感しました。
一週間ほどいたのですが、夜中の猫の鳴き声と、母のいびきと、暑さで、夜ぐっすりと寝ることができず、ずっと寝不足が続いてしまいました。そうなると、日中も眠くて、だるくて、おまけにこの暑さもあり、夏バテしそうでした。
こちらに戻ってきて、エアコンがよく効く静かな部屋で、ゆっくり寝て、ようやく体力が回復してきました。睡眠ってほんと大事ですね~。
(T2)
* 掲載されている情報や制度は、各号の発行当時のものです*