Vol.189 2024年6月号 

TOPICS

マイナンバーを自分のものにする一歩

先日「マイナポータルにお知らせが届いています」というメールが届きました。その時はどうせたいした内容ではないだろうとスルーしたわけですが、後日たまには見てみるかという気になり、カードを探し当て、認証作業を乗り越え、マイナポータルにログインしてみました。

まずデザインが一新されていましたね(いつからかは知らないですが……)。健康保険証で話題の医療関係の他にも、年金や税等の情報が確認できるようになっています。

わたしはマイナンバーカードを持ち歩いていません。従来の保険証を病院や薬局で提示しています。それでも、カードの保険証利用は申請したので、マイナポータルの「医療費」や「薬」欄で、どこの病院にかかったか、どこの薬局で何という薬をもらったかを見ることができました。 他にも、「予防接種」欄では新型コロナのワクチンを3回接種したことが確認できましたし、「税」欄では、以前京都で働いていた時の情報も見ることができました。

なぜか「知らない間にいろんなものがマイナンバーに紐づけられている……!」という感覚を持ってしまいました。でも、新規サービスの医療費関連はともかく、税情報などは当たり前ともいえるんですよね。カードができる前から、各個人に番号はついていて、行政サービスに使われています。思い返せば、どこかで働くときにも、健康保険に加入するときにも、マイナンバーを申告しています。だから、ばらばらにあった情報が紐づけられただけ、そしてそれらを自分のスマホでまとめて見れるようになっただけ。医療費関連だって、自分で健康保険証利用を申請したのですから、ことさら驚くことはないわけです。

Androidスマホでは、スマホ用電子証明書を登録すると、登録した特定のスマホでカード無しでログインできます。 5月に、iPhoneにもこのような機能が搭載されると発表されました。さらにこれには、Androidスマホにはない券面記載事項も搭載されるということで、もっと進んでいます。これによりiPhoneユーザーは、マイナンバーカードを持ち歩かなくてもよくなる予定とのこと(医療機関など事業者側の対応は必要になりますが)。Androidスマホへの対応時期は未定だそうです。

この報道に対し、主にネット上で、セキュリティ面を心配する意見を何度も見かけました。しかしどうでしょう…… マイナンバーカードはiPhoneの中のセキュリティの高い領域に搭載されます。物理カードと違って、スマホには指紋認証などもついていますし、端末を紛失したときに探したりロックしたり初期化したりする機能もついています。またカードは手渡ししますが、スマホ端末自体を渡す必要はなさそうです。生身のカードを持ち歩くより安全と言える面も多いのではないでしょうか。(それでも不安に思う方は、スマホに登録しないという選択肢があります。)

マイナンバーカードには賛否両論あって、作ったけど嫌だなあと思っている方もいるし、絶対作らないぞという方もいますね。ただ、マイナンバー自体はすでに使われているし、実際に情報は紐づけられています。技術も制度もサービス内容も、どんどん変わっていっています。

「いつの間にこんなことに?!」となる前に、しっかり情報をキャッチして、自分たちの大事な情報がどのように使われているのかを、まず自分で確認することは大事だなと、今回久々にログインしてみて改めて思いました。

セキュリティ問題をきっちりしたうえで、申請できる補助金を簡単に検索出来たりお知らせしてくれるとか、確定申告や様々な申請がもっと便利にできるとか……「マイ」ナンバーなのですから、持ち主本人による把握や活用がもっと進むように進化していくと良いなと思います。

(T1)

ヘタ字のコラム

あなたは起業家向き? の巻

質問をひとつ。料理をするときの手順です。あなたはどちらのタイプですか。
A:なにをつくるかを決めて、必要な材料を買いに行く。
B:冷蔵庫などにある手持ちの材料を確かめ、なにをつくるかを決める。  

◆ ◆ ◆  

わたしは料理をすることが好きなほうです。休日は、わたしがつくります。
休日の男の料理といえば凝る(*) ことも少なくないでしょう。が、わたしにはその傾向はありません。料理に取り組む基本姿勢は「淡々と」です。とはいえ、ときには、凝ったことがしたくなるのが人情というもの。そんなときは、隠し味に工夫をこらします。でも、そこで家族の口から出てくるのは「今日はふしぎな味だね」・・・なぜでしょう。ふしぎです。
(*)凝る───イタリア産のホールトマトがなければナポリタンはつくらない。ラーメンのときは、まず豚骨を買いにいく。カレーの隠し味としてインスタントコーヒーを加えるも、大量投入が災いし、隠し味のレベルを超越する(←過ぎたるは猶及ばざるが如しということを理解していない)など。  

 

閑話休題。さて冒頭の質問は、じつは、起業家に向いているかどうかの適性を問うものでした。多くの人がAを選んだかもしれませんね。でも、残念ながら起業家に向いているのはBを選んだ人(らしい)。

Aではまず目標を決め、そのために必要な資源を獲得しようとします。いうなれば「目標主導」。一方、Bは手持ちの資源を最大限に活用しようとする「手段主導」です。
目標主導では「こうだ!」と決めた目標に向けた精緻な計画をつくります。でも、そのとおり事が運ぶことはまずありません。いつの時代も、常に先行きは不透明で、常に将来予測は困難なのです。
それに対して、手段主導のキーワードは「臨機応変」。状況の変化や見込み違いも素直に受け入れ、ときに大胆に方向転換します。その柔軟さが活きる。背伸びをせずできる範囲で始めるので、ストレスがすくないことも利点です。それゆえの「目標主導 < 手段主導」。

とはいえ、目標を決めることが「悪」ではありません。いけないのは、それに縛られ過ぎること(←過ぎたるは猶及ばざるが如しということを理解しよう)。目標は決める。ただし、どこかに「路線変更スイッチ」という名の材料は備えておく。これがベスト、でしょうか。

(駿馬)

今月のことば

失敗しても、もう1回挑戦する。
それを繰り返してきた。

── 柳井正(ユニクロを展開するファーストリテイリング会長兼社長)より

今月のすうじ

体感3年

柳井正氏(「今月のことば」に登場)がユニクロ開店40年を振り返って。夢中になっている時間は短く感じる。40年が3年にしか感じられないとは、夢中度はマックス青天井。その甲斐あって(?)ユニクロは世界で3500店、売上は3兆円で時価総額は12兆7000億円だ!

編集後記

最近我が家の家電が次々に壊れます。まず、電子レンジが壊れました。ボタンを押しても反応せず、何度かドアを開け閉めすると、動くことはあったのですが、日によっては全く動かないことも。毎日よく使うもので、これはすんなり買い替えました。次にドライヤーが壊れました。これはお気に入りのものだったので修理に出しました。そして今は洗濯機と冷蔵庫から異音がします。洗濯機は7年前に、冷蔵庫は10年前に買ったものなので、そろそろ寿命なのでしょうか。どれもお高い買い物なので、どうか一気に壊れないでほしいと願うばかりです。

(T2)

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