Vol.175 2023年4月号

TOPICS

郵便局のやさしいおじさん

「やさしいおじさんでよかった〜」
近くの郵便局へのお使いから帰ってきたスタッフがこんなことを言いました。その瞬間、その場にいたみんなが同じ人の顔を思い浮かべたのです。
「あの人だ」
高橋会計事務所の近くに、職員が3名ほどの小さな郵便局があります。その郵便局に「やさしいおじさん」(ときに「親切なおじさん」と評されることも)がいるのです。
やさしいおじさんは、接客が丁寧で親切です。
一方、その郵便局から逆方面に足を延ばすと、大きな郵便局があります。そこの接客は不親切とはいえないまでも、いかにも官僚的。いいかたを換えると冷淡です(結局、不親切といっている)。
組織が大きいとどうしてもそうなるんじゃないか。
これが事務所の統一見解です。

◆郵便局の制度と歴史を学ぼう!◆
郵便局には、日本郵便㈱のフランチャイズ店と直営店があります。フランチャイズ店のことを「簡易郵便局」といいます。
簡易郵便局の局⻑は日本郵便㈱の職員ではなく、同社と契約を結んで郵便事業などを受託している個人事業主です。

直営店は、郵政⺠営化以前は「普通郵便局」と「特定郵便局」に分かれていました。
普通郵便局は「本局」と呼ばれることもあります。
地域の要となる大きな郵便局です。
一方の特定郵便局は、規模は小さい。
明治のはじめ、郵便という社会インフラをいち早く整える必要がありました。そのために新政府が考えたのが──地域の名士や地主に土地建物を無償で提供させて、そこで郵便をやらせればいいんじゃないか──
こうしてできたのが特定郵便局。住宅街などにある身近な郵便局がこのタイプです。
*郵政⺠営化により廃⽌され、現在は制度としての特定郵便局はありません。

これでわかりました。
やさしいおじさんがいるのは(旧)特定郵便局です(そこは簡易郵便局ではないため)。

先日も、その郵便局に寄りました。
相変わらず、やさしいおじさんは丁寧で親切です。
年配のお客さんも多いので、声はすこし大きめ。狭い庁舎には、やさしいおじさんの声が響き渡ります。
同じことを日になんども聞かれることもあるでしょう。手続きにまごつくお客さんもいることでしょう。
それでも、やさしいおじさんは丁寧で親切。
そんなやさしいおじさんの背中に向けて「その接客、わが事務所で評判だぞ」こう心の中で語りかけ、私は(旧)特定郵便局をあとにしたのでした。

(高橋)

ヘタ字のコラム

建国の大業は着実なる実務の積み重ねの巻

歴史上の同世代人で、後世での人気不人気がはっきりと分かれることがあります。
たとえば───かたや源義経こなた源頼朝。織田信⻑には徳川家康。そして、坂本⻯⾺と大久保利通。
前者は人気者だけど、後者には人気がない(・・・異論は認めます。でも、だいたいの傾向はそんな感じですよね)。

面白いのは、大久保(なぜが利通ではなく、大久保のほうがしっくりくるので、以下「大久保」)が家康を尊敬していて、家康が頼朝の鎌倉幕府を手本にして江⼾幕府を開いたというところ。
似た者同士、類は友を呼ぶという成句が頭に浮かびます。まあでも、家康が義経を手本にするはずないですよね。義経は、軍事は突出していても、政治的にはダメダメな人だったわけですから。

両者の違いはなんでしょう︖
それは、革命家と実務家の違いのような気がします。
義経・信⻑・⻯⾺の人気者グループが革命家で、頼朝・家康・大久保の「じゃないほう」が実務家です。

革命家は、華やかに歴史の舞台に登場します。颯爽としていてカッコいい。今風にいえば陽キャ(陽気なキャラクター)です。ところが、最後は非業の死を遂げる。そこがまた人々の心を揺さぶります。人気が出てあたりまえです。
一方、実務家は、革命家が掘り起こした土地を着実に整地するのが役目。実務に徹するゆえ、冷淡なイメージがつきまとう。そして、陰キャです。
そう考えると、義経と頼朝、信⻑と家康、⻯⾺と大久保の人気不人気の理由もわかるような気がします。

じつは、以上はすこし⻑い前振りです。
その不人気(とされる)大久保の語った次のような言葉があります。

 ───建国の大業は(中略)着実なる実務の積み重ねこそが最適であり、これ以外に方法はない───

私たち凡人は革命家にはなれません。でも、着実な実務を積み重ねることはできます。なんと、それで、何事かをなしとげることができる!
なぜなら、日本をひっくり返した倒幕とそれにつづく明治新国家の建設だって、大久保にしてみれば(つまり、当事者にとっては)着実な実務の積み重ねだったというのですから。

(駿⾺)

今月のことば

たぶん人生には勝負を賭けなければならない時があり、今がその時に違いない。自分ならどうにかなるだろうと(中略)アフリカンドリームに夢を賭けることに決めた。

── 「バッタを倒しにアフリカへ」(前野ウルド浩太郎著)より

今月のすうじ

4%

この4月1日から努力義務化された自転車のヘルメット着用割合(調査:2月〜3月、13都道府県16,435人対象)。ほとんどの人がノーヘルというわけ。でも、人々の行動は、あるラインを超えると急激に一方に傾く。1年後は逆転しているかも。ちなみに、東京は5.6%で全体2位(意外な好成績ですね)。一方最下位は兵庫で1.9%です。

編集後記

3年ほど前から韓国ドラマにハマっています。愛の不時着、梨泰院クラスなど、これまで観た作品の数は約50作品にもなります。唯一の趣味ともいえます。韓国ドラマは、おばあちゃんが観るものだと思っていました。実際、私の祖⺟も冬のソナタにどっぷりハ
マっていましたので。一度観始めると、寝不足の日々が続いてしまいます。娘が寝た後、お菓子を食べながら韓国ドラマを観るのが本当に至福の時で、この時間、なにか他の勉強にでも費やせば?と日々思います。はい、ぼちぼち簿記2級の勉強も頑張ります。。。

(T2)

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