Vol.172 2023年1月号
TOPICS
どうも、うさぎはツメが甘い
物語に登場するうさぎには、共通点がある──。
たとえば、『因幡の白うさぎ』。
どうしても対岸の因幡へ行きたい。そう思ったうさぎは居てもたってもいられません。行きたい、行きたい、どうしても因幡へ行きたい。でも、海を渡る手段がない。いい手はないものか。・・・・・そうだ。サメをうまく言いくるめて。
「サメさん、サメさん。あなたたちサメと私たちうさぎのどちらの数が多いか比べっこしよう。仲間を集めて、頭を出して並んでおくれ。私がその上を跳んで数えてあげるよ。そうすれば、どちらのほうが多いかわかるでしょう?」
「よし、のった!」サメは、海上にズラッと頭を出して並びました。うさぎはその上をピョンピョンピョン。
みごとな発想力。みごとなプレゼンテーション能力、そして実行力。
“できる” ビジネスパーソンもさもありなん。
でも───、
向こう岸に着いたうさぎは、調子にのってこう言った。
「や〜い。お前たちは騙されたんだぞ。どっちの数が多いかなんてどうでもいい。お前たちを利用してやったのさ。わからなかったかい?」
その後の展開はご存じのとおりです。
怒ったサメに毛皮を剝がされて、うさぎは丸裸にされてしまいました。
口は災いの元。もの言えば唇寒し。余計なことなど言わなければよかったものを。痛い目にあった原因は、最後に放った油断の一言でした。
『うさぎとカメ』でも、うさぎはおなじ過ちを繰り返します。言うまでもなく、ゴール間近での昼寝、すなわち油断。
どうも、うさぎはツメが甘い。
遠足から学校に戻ると、先生は必ずこう言います。
「お家に着くまでが遠足ですよ」そう、最後まで気を抜いてはいけないのだ。
あけましておめでとうございます。
2023年は、うさぎ年です。
最後まで油断などせず、しっかりとした1年を歩みたいものです。
今年もよろしくお願いいたします。
(高橋)
ヘタ字のコラム
カード会社発行の請求明細書はインボイスにあらずの巻
今年(2023年)10月から消費税のインボイス制度が始まります。
インボイス制度が始まると、インボイスの保存が仕入税額控除(*)の要件になります。インボイスの記載事項は、法律で定められていて(発行元のインボイス番号や取引金額に含まれている消費税額など。以下「法定事項」)、それがなければインボイスたり得ません。
*仕入税額控除→会社は、売上に含まれている消費税(受け取った消費税)から、仕入・経費に含まれている消費税(支払った消費税)を差し引いた残りを税務署に納めます。この「支払った消費税を差し引くこと」を仕入税額控除といいます。
ただし、簡易課税の会社は、仕入税額控除を支払った実額ではなく、事業ごとに決まった割合で計算します。
さて──会社の経費をクレジットカードで支払ったとしましょう。クレジットカードを利用すると、1か月ごとにカード会社から請求明細書が郵送されたり、またはWEB上で見ることができます。
この請求明細書を保存しておけば仕入税額控除が認められるのでしょうか。
答えは、否。
カード会社が発行する請求明細書は、インボイスではないからです。
それは、カード会社がお店に立替払いした明細であり、正体はカード会社からあなたの会社への「立替金の請求書」にすぎません(もちろん、その明細書に法定事項が記載されることもない)。
では、どうすれば。
クレジットカードを利用すると、お店で「ご利用明細」(レシート)がもらえます。
そこに法定事項が書いてあれば、それはインボイス。そのレシートを保存することで、仕入税額控除の要件を満たすことになります。
クレジットカードで支払をしたら、レシートの保存をお忘れなく。
(注)現行の制度でも、カード会社発行の請求明細書では仕入税額控除はできません。ただし、取引金額が3万円未満(29,999円まで)のときは、その限りではないことになっています。
インボイス制度が始まると、原則として「3万円基準」はなくなります。
また、税務署の対応も、より厳格になることが予想されます。
(駿馬)
今月のことば
狙撃兵は自分の物語を持つ。誰もが… …
そして相手の物語を理解した者が勝つ
── 『同志少女よ、敵を撃て』(逢坂冬馬著)より
今月のすうじ
2,567万円
昨年の参院選で当選した議員の平均資産額。国会議員には、その有する資産の公開義務がある。もちろん法律にもとづく制度。ゆえに嘘は法律違反。なのに、預金ゼロ(!)の先生方が7割も。それ、本当? いや、おそらくそこに嘘はない。じつは、「普通」預金は公開の対象外なのです。う~む。そうきたか・・・。
編集後記
子供の頃冬休みが大好きでした。クリスマスにはプレゼントを貰え、ケーキやご馳走を食べ、すぐお正月になり、お年玉を貰え、お雑煮やおせちを食べられるからです。友達からの年賀状も嬉しかったものです。今5歳の娘がいるのですが、自分が親になって思うことは、自分の子供にも冬休みのイベントの楽しさを最大限感じさせてあげたい、と。ただ親は準備が大変です。サンタ業務もこなさないといけません。少々面倒だなと思ってしまうこともあるのですが、自分の親がしてくれたことを最大限自分の子供にもしてあげたいと思います。
(T2)
* 掲載されている情報や制度は、各号の発行当時のものです*