Vol.169 2022年10月号

       
【アーカイブ記事】掲載されている情報や制度は、各号の発行当時のものです

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おさらい―○○万円の壁―

よく「○○万円の壁」なんて言い方をすることがあります。
税金や社会保険料に影響する年収のことですよね。あらためて、おさらいしましょう。

*前提となる条件はつぎのとおりです。

103万円の壁

おなじみの壁ですね。
夫は、妻、⻑⼥の年収がそれぞれ103万円以下(103万円ぴったりまで)なら、妻と長女ふたりを控除対象とすることができます。控除は、38万円です(配偶者控除、扶養控除)。このとき、妻と⻑⼥本⼈に所得税はかかりません。
長男は、残念ながら控除の対象外です。収入がゼロなのになぜでしょう? 扶養控除には、16歳以上という要件があるのです。

150万円の壁

夫は、妻の年収が103万円の壁を超えると(103万1円以上になると)、妻を控除対象にできません。配偶者控除はゼロになります。とはいえ、1円でもオーバーすれば、控除が即ゼロというのは、さすがに忍びない。そこで、「配偶者特別控除」という激変緩和措置ができました。
夫は、妻の年収が150万円以下であれば──103万円の壁を超えていても──配偶者特別控除により、38万円の控除を受けることができます。
ただし、妻本⼈には所得税がかかります。
また、このような激変緩和措置は、⻑⼥にはありません。したがって、長女の年収が103万円の壁を1円でも超えたとたん、夫の控除は一気にゼロになります。

130万円の壁

夫は、妻、長女の年収がそれぞれ130万円以下なら、妻と長女ふたりを健康保険の扶養とすることができます。収入ゼロの⻑男ももちろん扶養です(16歳以上という要件は、税金での話)。
妻、長女の年収が130万円の壁を超えると扶養から外れます。扶養から外れれば、ふたりは⾃らで社会保険または国⺠健康保険に加入することになります。

以上をまとめると、

ここからは、すこしマイナーな壁を紹介しましょう。

100万円の壁

住民税(市・都(県)民税のこと)がかかるか、かからないかの壁です。
年収が100万円までなら、住民税はかかりません(金額は住んでいる市区町村によって、若干異なります。町田市、相模原市の場合は100万円です)。
妻の収入が103万円ぴったりなら、妻は夫の控除対象になり、妻本⼈に所得税がかからない。でも、100万円を超えているので、住⺠税はかかるというわけです。
税金と名のつくものはとにかく負担したくない。こう思うのであれば、妻は年収を100万円までにする必要があります。

201万5,999円の壁

妻の年収が150万円までなら、夫は38万円の控除を受けられました。
では、150万円を超えたらどうなるでしょうか。控除はゼロになる?
じつはここでも、激変緩和措置たる配偶者特別控除が機能します。それにより、150万円の壁を多少超えても、控除はすこし減るだけでゼロにはなりません。
配偶者特別控除は、妻の年収に段階を設け、その段階ごとに夫の控除が決まるという仕組みなのです(妻の年収が増えると、夫の控除がすくなくなる)。

106万円の壁

2022年10月からの最新の壁です。ただし、従業員が101⼈以上の会社に勤めている⼈限定です。
そのような⼈は、年収が106万円以上になると、会社の社会保険に加入しなければなりません。たとえ、パート・アルバイトであってもです。
101⼈以上という会社の規模条件は、2年後(2024年)から51⼈以上に拡大される予定です。

(駿馬)

今月のことば

今までのことは忘れた

── 大谷翔平(メジャーリーガー)

今シーズン記録ずくめの二刀流が、印象に残ったことを聞かれて。それはつまり「今」に集中していた証拠。過去を振り返らず未来を憂えず、今に集中する。そんな人がもっとも結果を残すのだ。

今月のすうじ

43億円

大谷翔平の2023年の年俸。日本でもっともチームの総年俸が多いホークスの42億円(60人分)を抜き去る。それにしても、22年のエンゼルスは、ダメダメだった。もうチーム名は「ロサンゼルス・ショーヘイズ」でどう?(アメリカ人にも発音しやすそうだ)。

編集後記

前回の事務所通信から、編集ソフトを変えました。一部のフォントの変更にはお気づきの方もいらっしゃることでしょう。資料などを作成するときは、読みやすさのためのフォント選びも大切ですね。例えば、本文が全てこれ(※紙面では行書体)では読みにくい。タイトルなどには良いですが、本文には向かないなと感じます。今回の変更では、UDフォントを採用してみました。UD=ユニバーサルデザインです。読みやすさの向上と誤読防止のための工夫がなされているそうです。パソコンに最初から入っていて明朝体もゴシック体もあります。フォントに悩んだときには、選択肢の一つになるのではと思います。

(T1)

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