Vol.163 2022年4月号
* 【アーカイブ記事】掲載されている情報や制度は、各号の発行当時のものです*
TOPICS
トヨタは車1台売って、20万円の儲け
トヨタは車1台売って、20万円の儲け(?)
トヨタは1台車を売ると、だいたい20万円儲かるらしい。以前、新聞に載っていました。
ということは、たとえば、あなたが300万円のトヨタ車を買ったとします。あなたは、トヨタが280万円かけて作った車を買った。こういうことになるのでしょうか。じつは、そうではありません。
280万円かけて作った車を300万円で売ったのでは、トヨタは赤字です。もっともっと高く売らなければ、20万円の利益にはならない。なぜなら───
車は売るためにもお金がかかる
なぜなら、売るのにもお金がかかるから。
売るためには、営業所を作って、営業社員を雇わなくてはなりません。営業社員がいれば、給与を支払い(当たり前)、彼や彼女が動けばいろいろな経費がかかる(これも当たり前)。
テレビCMをはじめ広告も必要。作っただけでは車は売れないのです(これまた当たり前)。以上は決算書では、つぎのように表されます。
トヨタの1台あたりの儲け、20万円。それは、車を作り、売るためにお金を使い、その他いろいろあった後の最終的な利益を販売台数で割ったものなんですね。
(駿馬)
ヘタ字のコラム
何もして税金は1円でも少なく の巻
「税金は1円でも少なく」こんな言い回しがあります。
多くの人の望み(?)かもしれませんね。それでいて、実際にそれを口にしたことがある人は多くはないはず。
古来、日本人は、言葉にはふしぎな霊力が宿ると信じてきました。「言霊(ことだま)」といいます。
願望を口にすることにより──つまり言葉にすることで──それが現実のものになる(逆に、よくないことを口にするとそれも現実になる)。これが、まさに言霊の持つふしぎな力です。
ということは、「税金は1円でも少なく」こう口に出して唱えれば、それは実現するのでしょうか。
いや、じつは残念ながらその望みは叶えられそうにありません。
なにも言霊の力を否定するのではありませんよ。
なぜなら───税金は、100円未満の端数は切り捨てるから(*)。
* * *
たとえば、計算された税金が32,314円なら14円は切り捨てて32,300円が納付額になります。
おなじように、51円が計算上の税金なら100円未満は切り捨てるので、納付額はゼロです。
つまり、最小の納税額は100円というわけ。
かように、税金は “1円少なくする” ことはできない。
いやいや、“1円でも少なく” というのは比喩だよ。つまり、たとえ。税金は少ないほうがいいということを表現しているにすぎない。本気で1円少なくしたい人間なんているわけないじゃないか。
こんな声が聞こえてきそうです。そりゃそうですよね。そのとおり。つい気色ばんでしまいました。たいへん失礼しました。
(*)税金は、100円未満の端数は切り捨てる
数多くある税金の種類によっては、もしかしたら切り捨てないものがあるかもしれません。でも、すくなくとも、ふつう私たちが接する税金は、切り捨てです。また、切り捨ては、納付する場合に限られます。還付の場合(税金がもどってくる場合)は切り捨てられずに、1円までもどってきます。
(駿馬)
今月のことば
勤勉の習性は、何にもまして尊い。勤勉は喜びを生み、信用を生み、そして富を生む。
── 松下幸之助
今月のすうじ
21/4300=80%
熊本県産のアサリ。年間の漁獲量が21トン(全国のそれは4300トン)のところ、店頭の8割が「熊本県産」と表示されていたことが問題に。これを表すとタイトルのような奇妙な計算式になる。アサリのような畜水産物は、もっとも長く居た(?)ところが原産地になるらしい。つまり、育ったところ主義。ゆえに、輸入アサリも熊本県産アサリになる余地はある。
編集後記
ロッテの佐々木朗希投手の完全試合、素晴らしかったですね。若いのにどんな精神力なんだとつくづく思ってしまいます。ネット中継を観ていた主人は自分が観てると失敗してしまうんじゃないかと最後は観ずにその後に結果を見たそうです。実は私もスポーツではここぞというところが観られません。前に息子がこれを入れたら勝ちが決まる公式戦のフリーキックを外したのが記憶に残ってるからかもしれません。息子と年の近い佐々木投手の試合も親目線でみてしまいますね。
(田中)