Vol.130 2019年7月号
目次
* 【アーカイブ記事】掲載されている情報や制度は、各号の発行当時のものです*
TOPICS
キャッシュレス化は対岸の火事ではない
今年10月の消費税率引き上げに伴い、キャッシュレス手段を使った決済を対象とした消費者還元事業が実施されています。
キャッシュレス・消費者還元事業の概要
2019年10月から2020年6月までの期間、対象店舗でキャッシュレス決済を行った場合に、5%または2%のポイント還元が受けられる制度です。
対象となる中小・小規模事業者に対しては、端末導入費用が無償になるほか、決済手数料についても1/3を国が補助するなどの施策が講じられます。
この端末導入費用の助成と、別途行われているレジやシステム改修等に関する「軽減税率対策助成金」はいずれか一方の選択適用です。
集客力にも影響
例えばクレジットカード決済をした場合、対象店舗ではカードの独自ポイントに加えて5%の還元が受けられることになります。
5%というと今回の消費税率の引き上げの2倍以上ですから、当然消費行動にも影響があるでしょう。
最短翌日振込という決済サービスも
Airペイ、Square、楽天ペイなどの主要モバイル決済各社では月6回や翌日振込という短い入金サイクルが主流になっており、資金繰り面での心配は過去のものと言ってよさそうです。
導入済みでも手続きは必要
すでにキャッシュレス決済を導入している場合でも、制度の適用を受けるには加盟店ID取得の手続きが必要です。
手続きには時間がかかりますので余裕をもって進めてください。
当事務所も現在、加盟店登録の手続きを進めています。
制度について詳しくは、同封した経済産業省のリーフレットをご覧ください。
(山本)
ヘタ字のコラム
消費税率を10%にするとき の巻
消費税率が10%になるのはいつでしょう? もちろん、今年の10月つまり、2019年10月1日からですよね。ということは、その日以降に請求する分から10%転嫁すればOKなのかな? いやいや、そうではありません。税率は、納品・引き渡し・完了などの事実によって決まるのです。具体的には──
<モノを売る場合>
2019年10月1日以降に納品する分から10%になります。もちろん、8%時代に仕入れたものでも、です。
いつ契約したか、いつ請求したか、いつ売上代金の入金があったかは、税率に関係ありません。
ただひたすら、納品の日だけ注目してください。
2019年9月30日までの納品なら8%、10月1日以降の納品なら10%です。
<工事などの請負の場合>
2019年10月1日以降に相手方に引き渡した分から10%になります。
いつ契約したか、いつ着工したか、いつ完成したか、いつ請求したか、いつ売上代金の入金があったかは、税率に関係ありません。
ただひたすら、相手方に引き渡した日だけ注目してください。
2019年9月30日までの引き渡しなら8%、10月1日以降の引き渡しなら10%です。
<サービスの提供の場合>
2019年10月1日以降に仕事が完了した分から10%になります。
いつ契約したか、いつ着手したか、いつ請求したか、いつ入金があったかは、税率に関係ありません。
ただひたすら、仕事が完了した日だけ注目してください。
2019年9月30日までの完了なら8%、4月1日以降の完了なら10%です。
(駿馬)
今月のことば
成功のなかにのみあなたの恵みを感じるような卑怯者ではなく、失意のときにこそあなたの御手に握られていることに気づけますように。
── 「果物採集」(ラビンドラナート・タゴール)から
今月のすうじ
60兆3563億円
2018年度の国の税収総額。バブル期を抜き、過去最高だとか。もっとも多いのは所得税(19.9兆円)で、以下、消費税(17.7兆円)、法人税(12.3兆円)とつづく。もちろん、この順位での消費税率は8%。10%になれば、所得税を抜き、まさに消費税が日本の基幹税になる。
編集後記
娘が大学生になり、生活が一変。所属した研究室が23時まで開いてるそうで、帰宅がとても遅い。自宅が駅から少し離れているので迎えに行かなければならなくなりました。そういえば昔、私もよく母にバス停まで迎えにきてもらっていたなあと。夜遅くに着替えて迎えに行くのは大変だっただろうと改めて感謝です。
(田中)