Vol.126 2019年3月号
目次
* 【アーカイブ記事】掲載されている情報や制度は、各号の発行当時のものです*
TOPICS
軽減税率で訴訟が増える(?)
EUの失敗
今年10月から消費税率がアップ(8%→10%)します。同時に導入されるのが軽減税率です。飲食料品と宅配新聞には8%の軽減税率が適用されるのはご存知のとおり。
税理士会は、一貫して軽減税率に反対の立場です。なぜかというと、先輩が失敗しているから。軽減税率導入の先例とされているのがEU主要国。それらの国が参加するOECDは、軽減税率は失敗だったと認めているんですね。軽減税率制度は低所得者対策として極めて非効率だ、と。
軽減税率で訴訟が増える(?)
EU諸国では、税金関係の訴訟でもっとも多いのが消費税率の適用に関することだといいます。今後の日本に当てはめると、食品の販売にあたるかどうかで裁判をするということです。
たとえば、出前は、食料品の販売になるから軽減税率。したがってお弁当屋さんが会社に配達するのは8%です。でも、そこで給仕をしたらとたんに10%になる。給仕を伴うとそれは役務の提供、食料品の販売ではないという考え方です。
お弁当を置いてくるのはOK。でも誰かの席まで持っていったら、それは給仕で10%になるということですかね。
どこからが給仕になるのか。さすがに席に持っていくだけで給仕にはならないと思うけど、要するにそういうところで争うわけですね。
いろいろがあやふやです
スッキリしないことには、外食チェーンでの脱税(?)問題もあります。「持ち帰り」(8%)といっておきながら、ちゃっかり席で食べる(10%)。でもこれは、だれも防げません。
なんだかいろいろがあやふやで、トラブルが予想されるのが10月からの軽減税率。
そうそう、忘れてはいけません。私たち事業者には税率ごとの区分経理という事務負担の増加も待っている。
(駿馬)
ヘタ字のコラム
真摯な謝罪が相手との関係を修復する、の巻
欧米人は謝らない(?)
欧米人は「すみません」もとい「アイム・ソーリー」と言わない。
つまり謝罪しない。なぜなら、非を認めたことになるから。裁判で不利になるから。賠償金が高くなるから。こんなこと聞いたことありますよね。
それに対して日本は“すみませんの国”。まず「すみません」が口をつきます。
こんな民族は世界では少数派らしい。
誤って皿を割ったとき、日本人なら間違いなく、即座に「すみません」。
でも、たとえば、アラブ人は謝らないといいます。「この皿は今日割れる運命にあったのだ」などというらしい(本当かいな。民族ジョークみたいなもんで、本当のところは謝るんじゃない? ←とこう思うのが日本人か)。
真摯な謝罪が相手との関係を修復する
ところが最近の統計によると、謝罪をしたほうが訴訟になる率が減り、賠償金の高額化が押さえられているというデータがあるらしいんですね。さらに、アメリカでは謝罪を不利な証拠として採用しない動きも広がっているんだとか。
今までの欧米の常識は通用しない⁉ まずは謝っちゃいな。こういうことですかね。
そうはいっても、ただ謝まりゃいいってもんじゃない。へたな謝り方は、逆効果。火に油を注ぐなんてことにもなりかねません。時間を空けずに、謝罪の際は相手より自らを低い位置に置いて、相手の評価に身をゆだねる必要があるといいます。
生きていくうえで、また仕事のうえでミスは絶対ない。こういうわけにはいきません。意図せず相手を傷つけることもあるかもしれない。
そのときには、やはり「謝罪」ということが必要になります。
“真摯な謝罪”が相手との関係を修復するんですね。
(駿馬)
今月のことば
憂きことのなおこの上に積もれかし
限りある身の力試さん
── 熊沢蕃山(江戸時代の儒学者)
今月のすうじ
26%
就活中の学生に聞いた「もっとも敬遠したい業界」トップは、なんとメガバンク・信託銀行。その割合が26%。かつて、就職先の人気ランキングでは大手銀行が軒並み上位を占めていたはず。それが今では「もっとも敬遠したい」とは。諸行無常ですね。ちなみに2位は外食、3位は地方銀行・信用金庫(また出た!金融業界)だそうです。
編集後記
普段から小銭をほとんど持ち歩かない生活をしていましたが、ついに財布を変えました。
「キャッシュレス時代の財布」と銘打った財布、入るのはカード・お札・小銭がそれぞれ数枚です。
油断するとすぐ小銭が溢れるので、これまで以上にカード・電子マネーが使えるかを気にするようになりました。
(山本)