Vol.117 巨大企業に服装自由化の動き
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巨大企業に服装自由化の動き
パナソニックは4月から、ジーパンやスニーカーでの勤務を解禁しました。国内6万5千人の社員の服装は、工場などを除き自由になりました。
社内ポスターには「もう、形式に縛られて働くなんてやめようぜ!」とあり、外資からの出戻り役員などを中心に組織全体の改革を進めています。
発想やひらめきを期待
伊藤忠商事は1995年に「カジュアルフライデー」を導入しましたが、時間の経過とともに形骸化した経緯があります。
「繊維を祖業に持つ会社らしく服装にこだわりを持って仕事をしよう」と再び注力し、昨年6月に毎週金曜日を「脱スーツ・デー」と設定、季節の着こなし発表会なども企画しています。
背景にアジャイル型開発の考え方
IT分野などを中心に「アジャイル型」と呼ばれる開発手法が普及しており、そうした業務フローの変化も服装の意識に影響しているといいます。
アジャイルは「素早い」「柔軟な」といった意味を持ち、最初から完全なシステムを投入するのではなく、最低限の機能だけを持ったシステムを実際に運用しながら顧客とともに作り上げていく開発手法です。
ネットワークを活用しながら仕事を進めるアジャイル型の手法は、従来型開発と違いフラットな組織のほうが対応しやすいとされます。
カジュアルウエアでフラットな組織に
マニュライフ生命は、リラックスした雰囲気を生み、上下関係を感じさせにくいというカジュアルウエアの利点に着目しました。
カジュアルな装いによって、職位の壁のないフラットな組織づくりに効果が期待できるということです。
より働きやすい職場環境を整える服装自由化の流れ、浸透するでしょうか。
(山本)
ヘタ字のコラム
老舗の家業を引き継いだある先輩の言葉、の巻
■■■ 中小企業の消滅は日本経済の衰退につながる?
中小企業の事業承継 ── 経営のバトンタッチ ── をどうするか。
これが、大きな課題になっています。事業承継がうまくいかなければ、会社が消滅してしまう。会社の消滅は雇用を失わせ、地域経済ひいては日本経済をも衰退させることにもつながる。
そんなオーバーな。大企業じゃないんだし。そう思いますか。
でも、会社の数、加えて、そこで働いている人の数。とちらも、圧倒的に中小企業のほうが多いんですね。もちろん、大企業に比べて、です。そういう意味では、中小企業の事業承継問題が日本経済へ与える影響はとても大きいんですね。事業承継が不調で会社がなくなることが、一斉に起こることはありません(当たり前ですね)。でも、真綿で首を絞めるように徐々に減っていく。気がついたら・・・。このほうが始末が悪いといえるわけで。
そんな問題を放置しておくわけにはいかん。ということで、国としての対策がつぎつぎに出てきました。事業承継のときの税金を猶予する制度。あるいは、事業承継した会社に対する補助金の助成制度。
でも、それらの制度はバトンを引き継ぐ後継者がいて、はじめて機能することなんですね。
■■■ 新聞に載った、ある先輩の言葉
じつは、中小企業の事業承継問題の根っこにあるのは、そもそもバトンを引き継ぐ人がいないという問題です。中小企業のおやじになるくらいなら、勤め人のほうがいい。なにもリスクを背負って社長にならなくても・・・。そんな引き継ぐ側にいる人たちの意識の問題。そちらを先にどうにかしなければなりません。
「今月のことば」で紹介したのは、外資系コンサルティング会社から老舗の家業を受け継いだ、事業承継の先輩の言葉です。(日経新聞2018/4/10「私見卓見」)。
(駿馬)
今月のことば
小なりといえども、長年の信用や取引基盤を活用できる立場は、新しい事業分野に転進するにしても、全くゼロから起業するよりも成功確率は高い。その過程では苦しいことも当然あるが、それを上回る充実感が必ずある。
今月のすうじ
66.6%。中小企業で後継者が決まっている会社(全体の41.6%)のうち、親族内承継の割合。引き継ぐのは社長の子ども、子どもの配偶者あるいは甥姪。減ってきているとはいえこのような親族内承継のほうがまだまだ多いようですね。
編集後記
息子が高校に入った際に硬式野球からフットサルに転向しました。フットサルとはどんなものなのかと思っていましたが、室内の狭いコートで5名で行うサッカーのようなこのスポーツ、パスや展開が早く、しかも相手をかわす頭脳プレーがすごい!その面白さに親の私達もはまってしまいました。個サルと略称される個人参加できる大会も多く、どんな人でも気軽に長く楽しめるそうですよ。
(田中)