Vol.116 自動車税は「普通税」
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自動車税は「普通税」
5月に入ると自動車税の納付書が届きます。この自動車税は所有者に対して課税される道府県税です。新車購入時に納める自動車取得税も道府県税です。一般的に税金は使われ方によって「普通税」と「目的税」とに分けられています。「普通税」は使い道が特定されていないもので、「目的税」は使い道が特定されているもの。自動車税や自動車取得税は実は「普通税」です。自動車-とついていますがその使われ方は自動車関連に限定されていません。また、新車購入時や車検の際に納める自動車重量税は国税で、こちらも「普通税」です。
軽自動車税は
二輪車等を含む軽自動車税は市町村税で「普通税」になります。平成28年の税率改定で、安いイメージであった軽自動車税の負担が増えたことは記憶に新しいことと思います。
自動車税、軽自動車税どちらも軽課、重課導入
平成28年度の改定の目的は地球環境保護が推進されるためであり、環境負荷の小さい自動車に対しては軽課、負荷の大きい自動車は重課という環境配慮型税制が実施されています。
電気自動車は75%軽課、13年を超えるガソリン車は15%重課
排出ガス基準適合車などは燃費基準により、 概ね50%もしくは75%の軽課となりました。ただし、軽課となるのは新車登録の翌年度1年度間のみ。重課ではディーゼル車で11年を超える車両も対象です。
東京都は次世代自動車の課税を5年度分免除
次世代自動車と呼ばれる電気自動車やプラグインハイブリッド車。東京都はこれらを平成32年度までに新車新規登録した場合について登録時の月割と翌年度からの5年度分の自動車税を免税としています。
多方面から課税される自動車税ですが、道路整備など使用目的の特定が重要と考えます。そして自動車を所有する私達も環境保護に意識を向ける必要があるようです。
(田中)
ヘタ字のコラム
社員の給与を増やせば、会社の税金が減る、の巻
■■■ 所得拡大促進税制が大きく変わった
所得拡大促進税制なる制度があります。
所得(社員の給与)を拡大(アップ)することを促進(後押し)する制度です。賃上げするための動機づけ。社員の給与をアップした会社には法人税で控除がありますよ、というものです。
その所得拡大促進税制が、2018年度から大きく変わりました。
具体的な要件は───
平均給与が前年度から1.5%以上アップしていること
前年度のひとりあたりの平均給与を計算する。同じく今年度のそれも計算。比べる。今年度の平均給与が前年度のものより1.5%以上アップしていればOKです。
ことし(2018年)初めに、安倍総理大臣が経済界に3%の賃上げをお願いしましたよね。それを忖度するかように(?)、原則のアップ率の要件は3%。でも、私たち中小企業に対しては、要件が緩和されて、半分の1.5%の賃上げでOKということになりました。
1で比べたのは、社員ひとりあたりの平均給与でした。今度比べるのは、給与総額。すべての社員の給与の合計(つまり、給与総額)が、前年度から増えていることが要件です。
どのくらい増えているかは問いません。理屈の上では、1円でも増えていればOKです。
上のふたつの要件をクリアすれば、所得を拡大したということで、法人税で控除ができます。
気になる控除割合は、2の15%。つまり、前年度の給与総額からの増加額×15%が本来納付すべき法人税から控除できるのです。
ただし、この制度は社員の賃上げを後押しするための制度です。社長の給与をいくらアップさせても適用はありませんので、ご留意を(念のため)。
(駿馬)
今月のことば
本当の逆境や修羅場をくぐり抜けていくタフな精神力は、それらを経験して克服した奴にしか与えられない!
──漫画「MAJOR[メジャー]」から
今月のすうじ
5万円 。2018年新入社員の平均目標貯蓄月額。貯金の理由のうち、以前の調査から増えているのが、なんと〝老後に備えて〟。社会に飛び出した瞬間から老後の心配をしなくてはならないとは──。人生100年時代を実感します。
編集後記
絵本をひとつ、紹介します。
書店で、表紙から漂う不思議な魅力に思わず手に取った一冊です。
「うみべのまちで」
1950年代のカナダ、海が見える炭鉱の町。坑道で働く父と、少年の穏やかな日々と、海のコントラストに、いろいろな思いを呼び起こされる、大人のための絵本です。
(山本)