Vol.113 平成29年分の確定申告おさらい
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平成29年分の確定申告おさらい
今年も確定申告の季節がやってきました。2017年分(平成29年分)の確定申告期間は2月16日(金)から3月15日(木)までです。
医療費控除が変わります
平成29年分から、医療費控除を受ける際には「医療費の領収書」の代わりに医療費を集計した「医療費控除の明細書」を提出することとなりました。
「医療費通知」が健康保険組合などから発行される場合は、「医療費通知」に記載された合計額を「医療費控除の明細書」に転記することができます。
セルフメディケーション税制利用の条件
通常の医療費控除との選択適用で「セルフメディケーション税制」が新設されました。
識別マークの入った対象医薬品を年間12,000円以上購入した場合に対象となりますが、予防接種や健康診断など「一定の取り組みを行ったことを明らかにする書類」も併せて提出をする必要があります。
ふるさと納税をした方はご注意
ふるさと納税をした方も多いと思います。寄付先が5つの自治体までであれば「ワンストップ特例」の届出により確定申告を省略できますが、確定申告をする場合には、ワンストップ特例の適用を受けることができません。
すでに「ワンストップ特例」の手続きをした方も、他の理由で確定申告を行う際にはすべての寄付金を確定申告の計算に含める必要があります。
仮想通貨取引のあった方
仮想通貨の売買により利益があった方も確定申告の必要があります。
仮想通貨の課税関係は非常に複雑ですが、分からないからと放っておくと後々大変なことになりかねません。
確定申告について少しでも心配なことがありましたら、いつでもご相談ください。
(山本)
ヘタ字のコラム
日本企業の加齢の速度が鈍化した、の巻
■■■ 『日本企業「高齢化」歯止め』
日経新聞に興味深い記事がでていました。見出しは、『日本企業「高齢化」歯止め』。
高齢化に歯止め? ということは、あたらしく生まれた会社、つまり起業する人が増えて、会社の平均年齢が下がったんかいな。一瞬こうおもいますが、さにあらず。
お金の使い方からみた会社の年齢のことなのです。
人はどうでしょう。
若い時期は稼ぎがそれほど多くないなかで、なりたい自分を目指して勉強します(いわゆる学問だけに限らず)。みずからへの投資です。お金はないので、そのために借金することがあるかもしれません。社会で活躍するようになると、借りたお金を返す反面、もうあたらしい投資にお金はつかわなくなります。経験を重ねるにしたがい増えていく稼ぐ力もやがて・・・・・年をとるとすくなくなってしまう。でも、過去の稼ぎによってたくわえられた財産がある。仕事で稼ぐ力がすくなくなっても、財産を活かして老後にそなえることができます。
会社だってそう。
■■■ 日本企業の加齢の速度が鈍化した
会社のお金の使い方や調達のようすは、3つのキャッシュフロー(以下、CFといいます)で表します。
営業CF、投資CF、財務CFです。それぞれ、本業での現金収支、設備投資に代表される投資にまつわる現金収支、借入金の動向。
若い会社は、営業CFに比べて、投資CFのマイナスが大きい。本業の現金収支のプラスは多くないけれど、これからのために設備投資にお金をかけているということですね。
成熟期の会社は、投資CFのマイナスに比べて財務CFのマイナスが大きい。借入金を返済する反面、あたらしい投資は手控えます。
衰退期の会社は、あらたな投資もせず、不要な設備を売却するから投資CFがプラスになる。
さて、新聞の見出し『日本企業「高齢化」歯止め』。これは、日本の主要企業の3つのCFを統計的に分析した結果のお話です。その加齢の速度が過去に比べて鈍化したらしいんですね。
残念ながら、若返りとはいかなかった模様。でも、今後はぜひ若返りを。主要企業の若返りは、私たち中小企業にとっても必ずいいことをもたらしてくれるはずですから。
(駿馬)
今月のことば
人とちがったことをやるっていうのが、ぼくの基本ですからね。
──イチロー(メジャーリーガー)
今月のすうじ
44.4歳 。日本の主要企業の平均年齢。キャッシュフローからみた成熟度合いに応じた年齢で、創業からの年数ではありません(くわしくは「ヘタ字のコラム」参照)。人には若返りの妙薬はありません。でも、この企業年齢は若返らせることが可能。チャレンジ精神を発揮して、あらたな設備投資や企業買収にお金を使えばそれはできるのです。
編集後記
先日、笛吹ケトル(やかん)を買いに行きました。やかんを火にかけたまま忘れてしまう母のため、音が鳴った方がいいとのことでしたが笛吹ケトルが数種類並んでいる中、ハーモニカケトル!?なるものが。
結局、千円余分に払うのももったいないと普通の笛吹ケトルにしましたが、どんな音がするのか気になります。
(田中)