Vol.109 子供の声はうるさい?“騒音”問題に対するアプローチ
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子供の声はうるさい?“騒音”問題に対するアプローチ
昨年4月に、千葉県市川市に開園予定だった私立「ししの子保育園市川」が、騒音問題などを理由とする近隣住民からの反対を受けて、開園を断念したことが話題になりました。
この例に限らず、かつては「騒音」ととられなかったものが原因となり近隣とのトラブルに発展するケースが増えているように感じます。
長野県の高校生が取り組んだ「騒音問題解決モデル」
長野県松本深志高校でも、10年ほど前から吹奏楽部などの音に近隣住民から苦情が寄せられていました。このため、運動部は猛暑でも体育館の窓を閉めて練習、吹奏楽部は屋外練習を自粛し、応援団も太鼓にタオルを当てて消音努力をしていたそうです。
顔が見える関係づくりの大切さ
学校から2区画の範囲に住む140軒を訪ね参加を呼びかけた意見交換会。そこで見えてきたのは、苦情を言っているのは実際には少数の人だけだったこと。また住民側も生徒たちの我慢を知り驚いていたといいます。
その後の第2回意見交換会で住民側からの発案により、生徒、地域、学校が参加する決議機関としての三者協議会が発足しました。さっそく、体育館や部室の窓を開放する試みが行われているそうです。
ドイツ流の解決策
ドイツでも日本同様、「子供の声」を環境騒音とする訴訟が相次いだことがありました。そうした流れを受け2010年にベルリン州で、翌年には連邦法で「子供の声は騒音ではない」として容認すべきものとする法律が制定されました。
ししの子保育園のその後
冒頭で触れた「ししの子保育園」のその後が気になって調べたところ、当初の予定地から数キロ離れた場所で、来年4月開園に向けて準備が進められているようです。新しい場所では近隣の方と「顔の見える関係」が築けるとよいですね。
(山本)
ヘタ字のコラム
消費税とオオカミ少年の物語、の巻
消費税率が10%になるのは、2019年10月1⽇の予定。およそ2年後です。今まで消費税率10%への増税は2度延期されてきました。
■ビジネス寓話■消費税とオオカミ少年の物語
2016年6月。味をしめた男は、ふたたび⼤声を上げた。「消費税上げるぞ︕ 景気判断条項⼊れないぞ︕ 確実に上げるぞ︕ 」── 複数税率導⼊だ︕ 複数税率に対応したレジスターに補助⾦だ︕── ⼤騒ぎするようすに男はまたもや⼤爆笑。遊びにきていた外国のお友だちが帰ると男はこう言った。「新しい判断で延期する」
つぎはどうなるのか︖ 10%への増税は⻤門さ。つぎもまた延期だ。そんな空気もなきにしもあらず。でも、今回の総選挙(2017年10月)では、消費増税後の増収分の使い道も争点になっています。使い道を決めるんだから上げると考えるのが、ふつう、ですよね。
いやいや、リーマンショック級の事態が起きないかぎりと言ってるから、なんとなく含みがある。延期の余地はあるってことだ。おっと、その前に、政治的な⼤きな風(希望の風︖)が吹くかもしれないし。いろいろ考えはあるようですが──、
でも、こんどはほんとうに上げた。虚をつかれた世の中は⼤混乱。混乱のさなか、村のヒツジはみなオオカミに食べられてしまった。かわいそうなことだ。
いろいろ考えはあるようですが──、虚をつかれて混乱しないよう(︖)、2年後には消費税10%(とそれにあわせての複数税率の導⼊)は実現していると思っていたほうがいい。
そのために、心の準備だけでなく、実務的にすべき準備もしっかりと。
(駿馬)
今月のことば
いつも笑顔でいなさい。
辛いときとか苦しいとき、
とりあえずでも無理矢理にでも笑っていれば、
たいていのことは乗り越えられるのだから。
──アニメ「おおかみこどもの雨と雪」から。
今月のすうじ
11年。 ノーベル賞のパロディ版、お笑いノーベル賞と称されるイグノーベル賞で日本人が11年連続して受賞。どちらかといえば真面目でお堅いとされる日本人にしてはすこし意外? 過去には「股のぞき効果」の発見(!)で日本人が受賞しています。
「股のぞき効果」とは、体を前屈して自分の股の間から後ろを見ると、モノが実際よりも小さく見える現象のこと。その発見が何の役に立つのかと聞かれて、受賞者答えて曰く「わかりません」
編集後記
電車に乗っていて、音漏れをしていることが少なくなったように思います。イヤホンの性能が上がったんでしょうか、単純に僕がそういう人に出会ってないだけでしょうか…昔はヘッドホンから音漏れしていることが多かったですが、そもそもヘッドホンして電車に乗っている人をあまり見なくなりました。
代わりにスマホでゲームしてる人を子供だけじゃなく、大人にも見かけます。
子供の頃の電車の中の光景はどんなだったかなあと考えましたが、窓の外を見るのに必死で、車内までは見てなかった気がします。
(和﨑)