Vol.093　だれでも確定拠出年金に入れる

◎今月のことば
「すばらしい人生を築きたいと思ったら──過ぎ去ったことは気にせず、腹をたてないようつとめ、いつも現在をたのしみ、とりわけ誰も憎まず、先のことは神様にまかせること」
ゲーテ（ドイツの詩人、劇作家）

TOPICS

だれでも確定拠出年金に入れる

2016年5月24日、「確定拠出年金法等の改正案」が成立しました。

継続できないことがネックだった

転職などで環境が変わった際に拠出を続けられない場合があるなど、使い勝手に難のあった個人型DC ですが、実は非常に節税効果の大きい制度です。

これまで制度を利用できた人は約4,000万人、今回の改正で利用できるようになる人は約2,700万人、一方で加入者はわずか22万人しかいません。

個人型ＤＣの３つのメリット

個人型DCは「掛金が所得控除」「運用益が非課税」「受取時の非課税枠（退職金控除の対象）」という3つの税制優遇があり、効果的に資産形成を行うことができます。

中小企業では企業年金の代わりにも

従業員100人以下の中小企業においては、従業員加入の個人型DC に事業主が掛け金を追加拠出できるようになります。

損金算入、かつ従業員の給与所得には含めない事業主拠出によって、手軽に企業型DC導入と同様の経済効果が得られます。

老後資金は自分年金で備える

加入対象者が拡大されたことで、ライフコースに関わらず手厚い優遇を受けながら資産形成を続けることができるようになります。

今回の法改正には、公的年金だけに頼らず自助努力で老後に備えてほしいという国からの強いメッセージが感じられます。

（山本）

ヘタ字のコラム

安倍総理大臣が消費税率引き上げの延期を表明した、の巻

安倍総理大臣が消費税率引き上げの延期を表明した

安倍総理大臣が2017年（平成29年）4月に予定されていた消費税率の引き上げ（8％⇒10％）の延期を表明しました。これにより、2019年9月まで8％の単⼀税率がつづくことになりました（軽減税率は税率アップとセットですので、一緒に延期）。

ここ数か月の動きからして予想がつきましたからね。したがって大きな驚きは無し。

大きな驚きといえば、逆に、予定どおり引き上げますなんて表明した方が皆びっくり仰天したでしょうね。それが予定どおりなのに･･･。

それにしても2度目の延期。しかも今回は、間違いなく上げます、と言いつづけてきた中での再延期です。予定の2年半後にほんとうに上げられるでしょうかね。2度あることは3度ある、なんていいますし。それとも3度目の正直になるのかな？

ビジネス寓話　オオカミ少年と新しい判断

男がいた。くる日もくる日もおなじことの繰り返し。男はあきあきしてしまい、ちょっといたずらをしたくなった。男は、大声を上げた。「消費税上げるぞ！消費税上げるぞ！消費増税だ！」大騒ぎする人々を見て男は大爆笑。ひとしきり大爆笑した後、男はこう言った。「景気悪いから延期する」

味をしめた男は、ふたたび大声を上げた。「消費税上げるぞ！景気判断条項入れないぞ！確実に上げるぞ！」── 複数税率導入だ︕ 食料品とそのほかを区分しろ！外食はダメだぞ！ 複数税率に対応したレジスターに補助金だ！── 大騒ぎするようすに男はまたもや大爆笑。遊びにきていた外国のお友だちが帰ると男はこう言った。「新しい判断で延期する」

2019年10月が近づいてきた。男は顔色を変えて、大声をあげた。「消費税上げるぞ！ 消費税上げるぞ！消費税上げるぞ！」けれどもみなは知らんぷり。「また延期するさ」誰も男を信じなかったのである。でも、こんどはほんとうに上げた。新しい判断はしなかったのだ。虚をつかれた世の中は大混乱。混乱のさなか、村のヒツジはみなオオカミに食べられてしまった。かわいそうなことだ。

（駿馬）

編集後記

日本画家の若冲（じゃくちゅう）が生誕300周年記念ということで、展示を見に上野へ出掛けました。すごく混むとは聞いていたものの、平日にお休みを頂いて行ったのでマァ大丈夫だろうとタカをくくっていました。しかし、美術館の門も見えないところですでに、綺麗に整列した行列が見えます。おやっと思い、おそるおそる訊いてみると、やはり若冲を見に来た行列で３時間待ちだとのこと。答えてくれたご主人もお疲れのご様子で、「参っちゃうよねえ」なんて軽口すら出ません。いやぁこれは大変と思い、結局断念し、その日はアメ横の雑踏を味わい家に帰りました。（和﨑）

◎今月のすうじ
12.2㎞→23.8㎞。乗用車の平均燃費（ガソリン1ℓあたり）。前者が平成6年で後者が平成26年の数値。20年で乗用車の燃費は2倍よくなった。ちなみに平成26年の第1位はプリウスの40.8㎞です。