Vol.092 個人賠償責任保険をご存知ですか?
◎今月のことば
「すべての真実は異端から始まる」
(詳細不明:20歳前後のころ雑誌で見てとても印象に残った言葉です。ある哲学者の言葉だったと記憶しています。)
TOPICS
個人賠償責任保険をご存知ですか?
あまり耳なじみのない保険かもしれませんが、個人賠償責任保険は非常に「使える」保険です。
個人やその家族が、日常生活で誤って他人にケガをさせたり物を壊したりして賠償責任を負った際の損害が補償されます。
知らずに加入していることも多い
個人賠償責任保険には単独で契約できる商品は少なく、火災保険や自動車保険などの特約として付帯するケースが大半です。
2億円の補償をつけても保険料は年間数千円で、それと知らずに加入していることも多い、実は身近な保険商品です。
屋根からの落雪被害で使えた
数年前に大雪が降ったとき、実家の屋根から雪が落ちて、お隣の車を凹ませてしまったことがありました。
父が会社で加入している団体保険を確認すると個人賠償責任保険が付帯されていて、保険で対応することができました。
近年増えている自転車保険も
自転車に乗る人が増えて最近注目されている自転車保険は、傷害保険などと個人賠償責任保険を組み合わせたものです。
自転車保険には本人だけしか補償されない商品もありますので、注意が必要です。
知らなければ使えない
個人賠償責任保険を知らなかった方、まずはご自身の契約されている保険の補償を確認されてみるとよいと思います。
また、生命保険と違い複数加入しても無駄になってしまいますから、補償が重複している場合にはひとつに絞ることで保険料の節約にもなります。
(山本)
ヘタ字のコラム
タックスヘイブンで節税するとこうなる、の巻
特選日本むかしばなし─タックスヘイブンで節税するとこうなる
むかし、むかし、ある静かな里におじいさんとおばあさんが住んでいました。おじいさんは山へ芝刈りに。おばあさんは川へ洗濯に。ふたり仲良く、のんびり気ままに暮らしていました。
おじいさんの刈った芝は、町で売ることができました。ふたりは会社をつくりました。
ある日のこと。
おじいさんとおばあさんの住む里に、旅行中のアメリカ人敏腕コンサルタントが立ち寄りました。
ふたりが会社を持っていることを知ると、敏腕コンサルタントは興味津々で聞いてきました。
「日本の税制に興味がある。日本の法人実効税率はどのくらいだい?」
おじいさんは、税率表を見せました。
「どれどれ、・・・な、なんだって!?」
敏腕コンサルタントは、信じられないといった表情になり、続けざまにこう叫びました。
「ク、ク、ク、クレイジーだ!二けたの税率だなんて。数パーセントの税率で済む方法があるのに。オー、マイガッ!」「よし、その方法を教えよう」「タックスヘイブンを使うんだ。タックスヘイブン、そうだな、バージン諸島に管理会社を設立しろ。つぎに、アイルランドに子会社をふたつ作って、バージン諸島の会社に管理させるんだ」「カネの流れにはオランダ法人をかませるんだぞ」「ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチだ!」
タックスヘイブンにダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチ・・・ずいぶんと大げさな話じゃわい。おじいさんはそうおもいましたので、こんなことを尋ねました。
「そんな大層なことして、わしらにいいことがあるんか?」
「そうだな・・・まずタックスヘイブンの節税でおカネが貯まる。おカネを貯めたら──」
敏腕コンサルタントは、自信に満ち満ちた表情でこう言いましたとさ。
「──おカネを貯めたら、どこか静かな里に移り住んで、山へ芝刈りに⾏ったり、川へ洗濯行ったりして、ふたり仲良く、のんびり気ままに暮らすことができるじゃないか」
*ダブルアイリッシュ&ダッチサンドイッチ⇒現在はアイルランド政府の規制により節税効果はないそうです。
(駿馬)
編集後記
よく行ってたベトナム料理屋に久々に行くと、お気に入りだった店員のお兄さんがいなくなっていました。それはそれで残念だったのですが、新しい店員さんも人懐っこい感じで、日本語も料理も上手。美味しいフォーをいただきました。一人で注文を受けて料理を作っているのは変わらず、料理が出てくるのもゆっくりなんですが、それも楽しめるのがこういうお店のいいところだなあと改めて感じました。のんびりとしたいいお休みを頂きました。(和崎)
◎今月のすうじ
220億円。グーグルが2005年以降の追加分として納付した法人税。タックスヘイブンなどを使った複雑な節税対策が批判を呼び、租税回避の取り締まりを強化された結果のこと。これでも少ない?